【第一章】片山の家づくりストーリー

オープンハウス

この「暮らし株式会社」の土台となる我が家は、2000年(平成12年)3月に京都市左京区に、完成しました。  

100坪ある敷地に2軒。
  
左の家が、16坪の元祖お母ちゃんの家
右の家が、「片山の家」家族4人が住んだ24坪のわが家です。

Home is the fountain of energy.(家はエネルギーの泉です。)

この家は、生命エネルギーの泉!「お母ちゃんの住まい」として本にもなったことから、我が家と隣の元祖お母ちゃんの家は、世界会議にも発表されたり、新しいスタイルの二世帯住宅として何度もテレビや新聞雑誌に取り上げられ1万人以上の人が、見に来られました。

そしてフォーラムも開催されました。
2000年に誕生して23年を過ぎた今でも、多くのお客様が見学に来られるのです。

この物語は、母が2001年に出版した書籍「お母ちゃんの住まい誕生」にも詳しく掲載されております。もしよければ、本も読んでいただけたら嬉しいです。
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目次

わが家ができるまでのストーリー    

夢ノート

結婚した当初の日記を見つけました。

平成6年3月3日
わたし(夢育の母 片山 友見)のマイホームの夢
・大黒柱のある家
・暖炉のある家
・木をふんだんに使った家
・みんなが仲良くなる家
 がほしい

わたし(夢育の母 片山 友見)が、結婚早々に主人と語った夢をノートに書いていたものです。
家を建て、引っ越し荷物を整理した時、偶然これを目にしてビックリしました。 

もともと、目標や夢を紙に書くことは大好きでしたが、あらためて、紙に書いておくことの力の大きを知りました。
これが後にでてくる夢のシートにつながる原形にもなったのです。

夢実現  「夢育の家」誕生

笑いの絶えない家
家族みんなの気配がわかる家
みんなが仲良くなる家

こんなコンセプトで、つくった家はまさしくその通りのものとなりました。

今では通称「時間を忘れてしまう家」と言われるくらい、みなさんゆっくりおくつろぎになります。
集いやすいのか、居心地よいのか、主人やわたしの友人だけでなく、母のお友達までが、隣からわがやに合流してこられます。

「木の温かさがとてもいいですね」

そういわれると、ついついうれしくなって、断られずにいつもみんなで楽しくワイワイしています。

玄関

「んー気持ちよい!氣が流れてる!」
お客様の第一声。

玄関のオリジナルの木製ドアをガチャっと開け、テラコッタのタイルの床をそうっと一歩入られた所で、少し立ち止まり、上を見上げつつ大きな深呼吸を一つ、ゆっくりされてから、
「これは、木の香りですか?」
と、みなさん同じことを言ってくださいます。

「いらっしゃいませ!おまちしておりました」
まるでそう言っているかのように、大黒柱が立っています。
ゆるい框をあがった床には樺材の無垢のフローリングが続いています。
そして、もうリビングダイニング」が見えます。

建坪が二十四坪。
「無駄なく、活用!」が合言葉となり、
玄関ホールというものは最小限にしました。

北玄関ですから、風水学的に南の光を入れたかったのもありますが、
玄関、リビング共に広く見せる工夫として、ガラスの引き戸を使いました。

この建具のお陰で、玄関から南面の庭まで見渡せて、まるで、玄関に坪庭があるかのように、
ゆったりと感じる空間になりました。

和室

玄関のゆるい框をあがって、一、二、三歩目の左側に、和室を作りました。


現在はお客様のお部屋としていますが、将来的にはわたしたち夫婦の部屋になるだろうと考えました。

壁は珪藻土入りの塗り壁、色は、やわらかいベージュにしました。
畳は備長炭入りの本畳を使い、床下収納もつくりました。

ちょうど二畳分ですが、ボタン一つで自動的に開くので、とても便利です。
季節が終わったものをしまっています。

押し入れは防湿、消臭のために、すべてを杉板にしました。

この部屋はちょうど庭を囲むように、角度をつけてあるので変形ですが、そのため、隣りお母ちゃんの家の中までよく見えます。

井戸端会議ではありませんが、横着にもわが家と母の家の交流は、お互いの家の中からとっています。

息子であり母にとっては孫を見ながら、休日にはゆっくりとお茶を飲み、過ごすのが、何よりの癒しの時間です。

ちょうど横にふったことで間取りの変形した所を利用して、床の間もつくりました。
お正月や、端午の節句など、季節をここで感じながら楽しんでいます。

リビングダイニング

「俺は(片山 大輔)、仮面ライダーだ!地球の平和を守るためにやってきた!」ジャンプ!休日には、子どものにぎやかな声・・・・。




そして、みんなの笑い声が鳴り響きます。

玄関ホールの延長にある居間。
ここがわが家の集いの間です。
ここで、ご飯を食べ家族会議もします。
時には、息子・大輔のプレイルームになったり、人が来られた時には応接間とも言えるかもしれません。

「人が集う」を目的に、できる限り大きい空間をとりました。
居心地の良い空間にしたいので、床やテーブルは本当の無垢材を使いました。
壁は、ミセスリビングが開発した健康壁紙。
色はできるかぎり使わずに、白やベージュでまとめ、ウィリアム・モリスのカーテンの中にある一色の赤色をソファに選びました。

また、できるかぎり子どものおもちゃは置きません。そのかわり、リビングボードの上は
「大輔ギャラリー」と名付け、子どものコーナーにしました。
拾ってきたどんぐりに、色を塗ったり、トイレットペーパーの芯や牛乳パックで作った作品や絵を、季節に合わせてかざります。


それらはガラクタ?ではありますが、置き方にもこだわって、家族で一緒に」相談して決めるのです。
大輔も自分の作品がひきつめだと納得し、この空間にはおもちゃを置かないという約束を守ってくれています。
家族はもちろんですが、お客様にもここで〝作品〟に目をとめてもらえるので、とてもうれしそうです。
この空間を大切にすることで、家族の絆が深まっていくように感じます。
一つ物を置くときも、〝飾る〟という考えだけで、素敵な空間が生まれます。
居心地のよい空間とは、そんなことからあるのではないでしょうか。

テレビの置き場所

現在、ほとんどの家では、テレビが当たり前のようにリビングダイニングに置いてあります。

それはなぜでしょう?

あって当たり前のテレビですが、置く場所によって、けっこう生活習慣も変えてしまうのです。

テレビが大好きで、つけっぱなし、何をするのも、つけておかねば気がすまない主人に、わかしはある作戦を立てました。
この新築を機会に「暖炉がテレビよ」と、テレビをリビングから家事室に移設してしまったのです。
最初はかなり不満を言っていた主人でしたが、生活習慣が一か月もしないうちに変わったのです。

主人と子供がとっても仲良しになりました。

食事中も話が弾みます。

楽しんで食べますから食べすぎもなくなりました。

子どもが幼稚園であったすべてのことを話すようになりました。

主人もその分、自分の目標に向かって勉強の時間がとれるようになったのです。

週一回、家族会議も行うようになりました。

わたしも家事室にテレビがあるお陰で、今までついつい山積みにためてしまう洗濯物たたみや、アイロンがけが、好きなテレビ番組を見ながらできるので、たまることがなくなり、いつもスッキリです。

ついつい楽な方に流されてしまうわたしたちの行動も変えてしまったのですから、テレビの威力に驚かされます。

テレビは、すごく大きな存在です。

一般的にという言葉にとらわれずに、置く場所についても、今一度考えてみたいものです。
家族円満はテレビの場所にも関係があるのでは?と思います

キッチン

リビングダイニングの続きに、半オープンキッチンをつくりました。

対面式という形にして、常に子どもを見ることができるように、またお客様を招いてのパーティーの時に、お料理を作りながらも会話に参加していたい!ということもあり、これにしました。

お客様から作業が見えては、落ち着かないので、カウンターを少し高くしました。そのおかげで作業が見えす、全く問題なくおもてなしができます。

キッチンってとっても面白いナと思います。

母は、見かけによらず、料理が上手です。しかも、短時間で、テーブルの上をいっぱいにする技を持っています。

学生時代、母のつくったお弁当は、

「宇津崎さんのお弁当は料亭からとったの詰めてはんねんで!」
と評判になるくらい、色どりの綺麗な、しかも栄養バランスを考えたお弁当でした。

その色の配色が、のちのち私がカラーコーディネーターの道を進む原点ではないかと思うことがあります。

そんな母のキッチンは「仲良しキッチン」。

仲良しと名付けたくらいですから、いつも休日には、パーティーで賑わっています。

そのパーティーは、お料理を作る前から始まるのです。お集まりのみなさん、食前酒のシャンパンや、ビールを片手に、音楽をかけつつ、とれとれぴちぴちのカニや大きな魚を一緒にさばきます。ワイワイガヤガヤ・・・。お皿を用意する人、テーブルをセッティングする人・・・。

「仲良しキッチン」は、女性の起業家、18人のみなさんをすんなりキッチンに立たせてしまった、そんなキッチンなのです。そして、食器をしまって全て後かたづけまで終えて、みなさん帰っていかれました。とっても楽しみながら、それまで全く知らなかった人間同士キッチンに立って、本当に仲良しになれているのに、わたしもびっくりしたものでした。

キッチンには性格があります。

わたしのキッチンは母とは正反対です。「お客様お断り型」になっています。

わたしは、お客様にできるかぎり尽くしたい!ゆっくりしてください。裏方は見せたくないタイプ。「私が全ておもてなしします」パターンの典型的な人間だからです。

LDKでありながらここから入ってこられない領域を密かにつくっています。よほどの人でないかぎり、カウンターからキッチンに入ってこられません。

本当は独立キッチンにしたいくらいなのですが、それでは子どもを見られないことと、お客様の会話に参加できないので、半オープンキッチンにしました。

このように、キッチンのあり方は、使う人の考え方、性格によって、またおもてなしの方法に応じて考えてみたいものです。

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