【第二章】片山の家づくりストーリー

目次

前回までのあらすじ

前回第一章は、「片山の家」家族四人が住んだ24坪のわが家の家づくりストーリーのはじまり。

夢ノートにあるマイホームの夢の発見、そして夢実現、夢の家誕生!
玄関・和室・リビングダイニングの紹介、
家庭円満となるテレビの置き場所の秘訣、
そしてキッチンの紹介をさせていただきました。

まだ読まれていない方は、下記ボタンよりお読みください。

そして今回第二章は家具物語から紹介させていただきます。

家具物語

わが家の中で重要な役割のある家具。実はこれには物語があります。

当時家具屋さんで、不思議な光景を見かけることがありました。
それは、ブライダルコーナーでの親子のやりとりです。

娘「こんなの、いらんは」
母「あかん!いる。あんた肩身せまい思いするって、いるんやって」
父「この高そうに見えるのにしよ」
娘「ほんまいらんし、それやったらお金ちょーだい!!お金!」

大きな声で言い争っています。

母(お母ちゃん)は以前からこのことに大変疑問を持っていました。
そして、わたし(友見)の結婚の時に実験したのです。

わたしも、結婚する前は大変でした。

「京都の近くに嫁ぐのやから、ちゃんとせな」
「肩身の狭い思いするで!」

まわりの人にそう言われ、かなりドキドキしていた父母。

ほら大変大変!結納や!荷出しや!大騒ぎしてくれました。

ウェディングドレスはつくるわ、何やかんやでごったがえし、
健在だった父と一緒にそれはもう派手にしてくれました。

そんな中、母が言ったのは、

「婚礼家具を、お金にして!なんて言わないで、自分で家具をデザインしなさい」
「エ?わたしが!」

というわけで、お友達が家紋入りのタンスや、
華やかな婚礼セットを買ってもらっている傍らで、
デザインした家具が○○のものです。

「ちゃんと両親の見栄も考えてや」というわけで、
荷飾りして運んで頂き、婚礼家具として胸はって新居に納まりました。

ずっと長く使えることと健康を重視したので、いたってシンプルです。

その当時はもっとごちゃごちゃとデザインされた家具が多く、
年の割には渋い好みだといわれ地味な印象でしたが、
それがとても役に立ち、アパートにマンション、
どこでも、引っ越す度に様々なお部屋で活躍してくれたのでした。

あきのこない婚礼家具の食器棚に、新築時に同じ材料で合わせた造作家具で、
炊飯器やトースターの収納をつくってもらいました。

玄関の靴箱なども、少し追加しただけですみました。

家を新築して、さらに新しく家具も購入などということはできませんでした。

今あらためて親に感謝しながら、いろいろなところで
大活躍してくれるこの家具をとても大切にしています。

わたしがお嫁入でもってきた家具が、息子に、
またその次にと、ここで歴史をつくってくれたら・・・と願っています。

賃貸マンションやアパート暮らしを転々としていた時も、
この家具で、とても心豊かになりました。

鉄筋コンクリート造りなど、無機質な素材の家に、
木の無垢材を使った家具があることで、
どれほど気持ちをやわらげてくれたことでしょう。

生活の場に、生きたものがあることの大切さを実感しました。

母の「お母ちゃんの作戦またまた大成功の巻」となりました。

これから婚礼家具や、家具を購入するなら、
ぜひわたしの家具のように、いつでも役に立つものを選んでほしいと願っています。

在宅ワーク(お家ビジネス)

子どもに「おかええりなさい!」を言ってあげたい。

それで北西の位置に事務所を作りました。

事務所にすわっていながら、
玄関からの出入りがよくわかるように、
窓を大きくとりました。

床にはイタリアのテラコッタのタイルを使い、
スチールサッシの窓にはその補色にあたる深緑を使いました。

壁は珪藻土入りのしっくいを使い、
天井のコーナーはアールにして角をとり、
少しイタリアを意識したオフィスにしました。

壁のしっくいは今、日に日に白く美しい色になっていきています。

玄関ホールに手洗いスペース

玄関から入った時は見えないのですが、入った右側に、洗面をつくりました。

ここは、事務所からのお客様、そして大輔が夕方、
泥だらけの手をして帰宅し、一番に洗う場所です。

こんな所になぜ?とびっくりされるのですが、
一階にはキッチンとトイレだけで、
洗面がないわが家では大変重宝しています。

二階のホールはお部屋のひとつ

カーペットもなかなかいいものです

わが家は、〝事務所〟があり、人の出入りが多いので、
プライベートのお部屋、浴室、洗面などは、すべて二階に持ってきました。

ここからプライベートゾーンですよ・・・
という区切りのつもりで一階の階段から二階のホールすべてを、
カーペットにしました。

これが思っていた以上に快適で、気持ちよく、心地よいのです。

ただの上り下がりの階段機能だけでなく、最高の読書スペースとなり、
また、子どもの遊び場になりました。

二階のホールが、ホールでなく、一つのお部屋のように
そこで寝そべったり、くつろげる空間となったのです。

二階は子どもの部屋だけを樺(カバ)材のフローリングにしたのですが、
そこで遊ぶよりも、あたたかく気持ちよいカーペットのホールで遊びます。

今はダニやアレルギーの問題などを心配され、
敬遠されてしまいがちですが、すべてをフローリングでなく、
用途によってお選びになったらよいと思います。

わたしは食べることをしない部屋、水廻り以外の、
あまりよごれの心配のない所、また二階などには、
カーペットをお勧めしています。

鏡を上手に取り入れましょう!

階段を上がりきった正面に、鏡をつけました。

いつも、この鏡のトリックで、みなさんが驚かれます。

たった三部屋しかないお部屋が
その二倍続いているように思っていただけるのです。

「すごーい、いったい何部屋あるんですか?」
近づかれて、ご自分が写って「あらっ?」お気付きになります。

部屋の中に鏡が一面にあると落ち着かない空間になりますが、
廊下やちょっとした空間に奥行き感を出し、
部屋を広く見せるように・・・
鏡を上手に利用されてはいかがでしょうか。

子ども部屋

わたし(友見)は三人兄弟です。

わたしが長女で、下に弟・謙、妹・せつ子がいます。

子どものころのわたしたちのお部屋は、
最初は大きい部屋と小さい部屋の二つでした。

三人一緒に寝る部屋と遊ぶ部屋です。

わたしが小学生になった頃、
大きな寝室が区切られて勉強部屋が作られました。

三人それぞれに部屋を与えるのではなく、
勉強部屋に寝室、そしてプレイルーム。

これはずっと仕事をしている母のアイデアでした。

用途ごとの使い分けで、兄弟はとっても仲良くなりました。

仕事で両親が家にいなくとも、
寝る時は決まって順番にお話合いっこをしたものです。
頭のよい弟の話を、姉のわたしが密かに楽しみにしていました。

まだ幼い妹も、
「猫ちゃんが歩いていまちた。ちょれから犬ちゃんも歩いてきまちた・・・」
話はちっとも楽しくなかったのですが、しっかり仲間に入ってくるのでした。

三人で遊んで、三人で寝た日々。
一緒にたくさん過ごした時間は今でも貴重な思い出です。

弟が中学に入学すると同時に、わたしたちもそれぞれ個室となったのでした。

「子ども部屋は、用途ごとで分け、
兄弟できるかぎり一緒にする。小さい時は、大きい空間。
大きくなったら小さいお部屋に。
年齢と部屋の大きさは反比例するべし。」

わたしたちを育てて確信したのか、母はドヤ顔で語っています。

わたしも子どものお部屋は、そんな分け方をしようと思いました。

新築時は息子の部屋は大きくとりましたが、
年齢とともに小さくできるような間取りにしました。

寝室

寝室はただ寝るだけの部屋です。

でも、ちょっとしたスペースを工夫するだけで、
静かな書斎コーナーにもなるのです。

わが家は、婚礼家具の和ダンスと洋服ダンスの間に一枚の簡単な天板を
カウンターとして取り付けました。

ここが主人のデスクになっています。

仕事の書類などを見たり、子どもから離れて静かに考えたい時に使っています。

お父さんの場所はもちろん、リビングにあるのですが、
他にもちょっとした書斎コーナーがあるだけで、
自分の居場所として心が落ち着くそうです。

書斎をとってあげたいけれど、
スペース的にも納戸が優先になってしまう・・・
そんなご家庭に、このようなスペースはいかがでしょうか。

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