年末になると、「大掃除」「断捨離」という言葉をあちらこちらで耳にします。
でも今年、ある社長さんから聞いた「断捨離」の話は、衝撃的でしたのでご紹介します。
2025年に捨てた!ある社長さんの決断
先日、30代のある社長さんのお話をお聞きする機会がありました。
東大を卒業され、
現在は会社を経営されていて、
とにかく知能指数が高い方です。
一緒にお店に入ると、無意識に
客単価、回転率、売上、人数、
それらを一瞬で計算してしまう。
「このお店は、今この時間帯でこれくらいの売上ですね」
そんなことを、
何の苦もなく言えてしまう方です。
まさに、
左脳で生きてきた経営者です。
その社長さんが、今年「捨てたもの」
そんな社長さんが、
とても静かな口調で、こうおっしゃいました。
「今年、僕は“自分の賢さ”を捨てました」
一瞬、言葉の意味がわかりませんでした。
どういうことですか?
とお聞きすると、返ってきたのは、
とてもはっきりした言葉でした。
「もう、左脳の領域ではAIに敵わないからです」
左脳で勝負するのをやめ、右脳を選んだ
その社長さんは言います。
計算力
処理スピード
記憶力
情報量
こうした左脳の強さは、
これからAIがどんどん担っていく。
だから、
「そこでは、もう戦わない」
と決めたそうです。
その代わりに、
これから磨いていくのは
右脳の領域。
- 感じ取る力
- 空気を読む力
- 相手の背景を想像する力
- 言葉にならない違和感に気づく力
- 人の感情を受け止める力
こうしたものは、
AIには簡単に代替できない。
そして何より、
すぐには身につかない力です。
この時代にこそ、
人が人である意味として
残っていく力なのだと思います。
私は長年、
住まいと人の関係を見てきました。
暮らしもまた、
性能や合理性、正解だけでは整いません。
どんな空気で暮らすか。
誰と、どんな距離感で過ごすか。
それを決めているのは、
いつも「感じる力」でした。
自分が信じてきたものを、いったん手放す時間
なのかもしれません。感じたこと
その社長さんの話を聞いたとき、
私の中に浮かんだのは、
「何を残すか」よりも先に、
「何を捨てるか」
という問いでした。
そして、もう一歩踏み込んで、
こんな感覚が芽生えました。
自分を残すのではなく、形を変えて残す
これまで私は、
住まいや暮らしを通して、
さまざまな考え方やツールを形にしてきました。
「夢育マップ」や「間取りの法則」も、そのひとつです。
けれど今、はっきりと感じていることがあります。
それは、
「私がやった」という証を残したいわけではない
ということ。
大切なのは、
その考え方やコンテンツが、
時代に合わせて形を変えながら、
次の世代で生き続けること だと思っています。
名前が残るかどうかではなく、
理念や考え方が、
誰かの暮らしの中で、
自然に使われ続けていくこと。
それこそが、
本当に「残す」ということなのではないのかなと。。。
途切れてしまった知恵を、何度も見てきて
私がこの思いを強くした背景には、
これまでお世話になってきた
師匠やメンターの存在があります。
ある日ふと連絡が取れなくなり、
気づけば認知症になられていたり、
亡くなられていたりする。
そうして、
その方の中にあった
素晴らしい知恵や思想が、
何も残らないまま途切れてしまう
という場面を、何度も見てきました。
本当に、もったいない。
心から、そう思いました。
有名な方であれば、
本や映像として残ることもあります。
でも、
名もなき人の中にも、
人生をかけて培われた
深い思いや理念を持つ方は、たくさんいます。
それが、
誰にも手渡されることなく
消えてしまうことに、
私は強い寂しさを感じてきました。
積み上げたものを今の時代に変えて残す
だからこそ、今の私は、
こんなふうに思っています。
考え方を整理し、形を変え、
次の世代に渡せる状態にする。
その役割を、静かに担っていきたい。
問いであり、思想であり、
暮らしを支える「考え方」そのもの です。
捨てることは、終わりではなく、つなぐこと
捨てるという言葉は、
少し冷たく聞こえるかもしれません。
でも私にとってそれは、
失うことではなく、
繋いでいくための選択 です。
自分を手放すからこそ、
形を変えて、長く残せる。
AIの時代だからこそ、
人が人として積み上げてきたものを、
きちんと次へ渡していく。
それが、
今の私が選びたい生き方です。
あなたは、何を捨てますか?
そして、何に力を入れていきますか?
最後まで読んでくださり
ありがとうございます。
どうぞ、心が穏やかな優しい年末年始を
お過ごしください。


