人生100年=悩みが変化し続ける時間軸
暮らしの研究をし続けて、半世紀になりますが、住まいづくりをする上で
お悩みは、年代別によって違うことに気が付きます。
辛い時は、自分だけのように感じたり、なんとも言えない憂鬱な気分になりますが、
こうして皆さんのお悩みをまとめると・・・
辛い時は、みんな同じ。
こうして、客観視することで、対策も取れますね。
10代の悩み
- 自分は何者なのか、よくわからない
- 周囲と比べてしまい、自己肯定感が低くなりやすい
- 家庭・学校・友人関係の中で、居場所を感じにくい
- 将来について考えるよう求められるが、答えが見つからない
- 大人の価値観と自分の気持ちの間で揺れている
▶ 特徴
「守られているはずなのに、心は不安定」
安心したい気持ちと、自立したい気持ちが同時に存在している時期。
20代の悩み
- 社会に出て、理想と現実のギャップに戸惑う
- 仕事が合っているのか、このままでいいのか分からない
- 人間関係に気を遣いすぎて疲れてしまう
- 結婚・恋愛・キャリアなど、選択肢が多すぎて迷う
- 「ちゃんとしなければ」というプレッシャーが強い
▶ 特徴
「自由だけれど、不安定」
自分で決められる反面、すべて自己責任のように感じやすい時期。
30代の悩み
- 仕事の責任が増え、心身の余裕がなくなる
- 結婚・出産・子育てなど、生活が大きく変化する
- 時間・お金・体力が足りないと感じる
- 自分のことは後回しになりがち
- 周囲と比べて焦りや不安を感じやすい
▶ 特徴
「がんばっているのに、満たされにくい」
家庭・仕事・人間関係のすべてを同時に抱え込みやすい時期。
40代の悩み
- 仕事の責任が重くなり、心身の負担が増える
- 親の老いが現実として見え始める
- 子どもの成長とともに、関係性が難しくなる
- 自分の時間がほとんど取れない
- 「この先の人生、このままでいいのか」と立ち止まる瞬間が増える
▶ 特徴
「支える側としての負担が一気に重なる時期」
仕事・家庭・親のことが同時進行でのしかかる。
50代の悩み
- 子どもの独立や夫婦関係の変化に戸惑う
- 仕事の先行き、役割の変化への不安
- 体力・健康の衰えを実感し始める
- 老後のお金や住まいが現実的な課題になる
- 社会の中での自分の立ち位置が揺らぐ
▶ 特徴
「これまでの人生を問い直す時期」
忙しさが一段落する分、空白や不安が浮き上がりやすい。
60代の悩み
- 定年や仕事の節目を迎え、生きがいを見失いやすい
- 収入の変化による暮らしの不安
- 健康への意識が高まり、行動が制限される
- 人とのつながりが減っていく感覚
- 夫婦の過ごし方に違和感が生まれることもある
▶ 特徴
「自由になったはずなのに、不安が増える時期」
時間はあるが、どう使えばいいか分からない。
70代の悩み
- 体の衰えにより、外出や活動が減る
- 配偶者や友人との別れが増える
- 孤独感を感じやすくなる
- 暮らしの中の小さなことが負担になる
- 判断や決断に自信が持てなくなる
▶ 特徴
「できていたことが、少しずつ難しくなる時期」
自立と不安が常に隣り合わせ。
80代の悩み
- 日常生活に支援が必要になる場面が増える
- 病気や介護が身近になる
- 自分の存在が周囲の負担になっていないか気になる
- 住み慣れた環境を変える不安
- 会話や交流の機会が減る
▶ 特徴
「助けが必要になることへの戸惑い」
遠慮と不安が心の中に積み重なりやすい。
90代の悩み
- 思うように体が動かない
- 自分の意思が伝わりにくくなる
- 周囲の変化についていけない不安
- 孤立感、取り残される感覚
- 最後まで自分らしくいられるかという思い
▶ 特徴
「生きていることそのものと向き合う時期」
安心・尊厳・存在価値が大きなテーマになる。
年代別まとめ(悩みの核心)
- 10代: 「自分の居場所と価値が、まだ見えない不安」
- 20代: 「選択肢が多すぎる中で、自分の軸を持てない不安」
- 30代: 「暮らしが一気に現実化し、余裕を失っていく不安」
- 40代: 「支える役割が重なり、余裕を失う不安」
- 50代: 「これからの人生像が見えなくなる不安」
- 60代: 「時間はあるのに、居場所が見えない不安」
- 70代: 「できなくなることが増えていく不安」
- 80代: 「人に頼ることへの戸惑いと不安」
- 90代: 「最後まで自分らしくいられるかという不安」
そして、その多くは
暮らしや住まいが、人生のステージに合わなくなったときに表に出てきます。
次回からは、
これらの悩みが
「暮らし」「住まい」「間取り」と
どのようにつながっているのかを、
少しずつ紐解いていきます。

